百年の孤独

百年の孤独

百年の孤独

1967年発表の作品の新装版。レメディオス・バロの『螺旋の運航』の表紙が印象的。


考えれば、考えるほどに、読めば読むほどに深くて緻密な話です。読んでいる時、寒気を感じることが多くて、どんな怖い本よりも怖いと思いました。時間が環状になっていて同じ事を何度も繰り返している錯覚。しかし、「同じ事の繰り返し」のように見えたエピソードは、少しずつ少しずつ荒廃したものに変化していき、結末を迎えるのです。
この本をはじめて読んだ頃、一週間ほど熱にうなされ、毎晩のように悪夢を見たことを思い出しまします。でも、その悪夢は、怖いけれど、見ていて幸せな気分になるような不思議なものだったような気がします。
不思議な読後感の物語。