猿を探しに

猿を探しに

猿を探しに

ポール・オースタースティーブン・ミルハウザーなどの名訳でおなじみの柴田元幸氏のエッセイ集。柴田先生のエッセイは「死んでいるかしら」「猿を探しに」と、変な不思議なタイトルばかりなんですが、内容もタイトル以上に面白くて、柴田先生の雑感や日常話だけではなく、様々な文学や絵画の話が織り交ぜられていて、何度も読み返したくなります。音読の引き合いに紹介されたフェルメールの「窓辺で手紙を読む娘」の考察(?)、中国行きのスロウボートに乗って、自分に似た顔の猿を探しに行く話が印象深かったです。


巻末のきたむらさとし氏との特別対談「トンビがくるりと輪を描いた」が秀逸なんです。