いつだってさよなら
休日出勤だったんです。
「現地周辺の環境だとか雰囲気だとかを見て回ってきて」
って、現地で突然電動自転車が渡されて。
初めて降りた郊外の駅、初めて歩いた町を、マーカーの付いた地図片手にサイクリングしたんです。
自転車に乗るのも5年ぶりくらいなのに、電動自転車に乗るのも初めてなのに。
しかも今日はスーツ着てて、買ったばっかりの黒のパンプスなんかを履いているのに。
歩道もない狭い道は国道の抜け道だからか、けっこうな量の車が罰金とられるほどの速度で走っていて、いつ車に轢かれてもおかしくない位に怖い。
でも、自転車漕ぎ出したらどんどん楽しくなってきて、なんだかやたらとハイになって、ipodくんで音楽なんか聴きながら、るんるん気分で「物件付近の現地調査」をしていた訳です。
天気はあまりよくなかったけど、いろんなところでいろんな春の花が咲いていて、散りかけの桜並木なんかがあったりして。
アスファルトを突き抜けて咲いていたタンポポがかわいかったから、いつも持ち歩いているデジカメくんで写真撮ったりして。
自転車籠に積んでいたかばんにデジカメを突っ込んで、アップダウンのきつい坂道を進み、目的地のひとつである広い公園に到着したときに、初めて気づきました。
デジカメが‥‥ない。
あわてて元来た道を戻りながら探したけど、ない。
坂道を下っているときに、段差で自転車が「がっしゃん」ってなったことが走馬灯のように思い返された。あのときに落ちたに違いない‥‥。
その後交番に届け出て、職場に戻って動揺を隠しつつ働いたけど、じわじわと喪失感っていうかなんというか良く分からない感情がこみ上げてきたわけで。
忙しいからって、PCに取り込んでいなかった写真たち*1の存在が悔やまれる。
だれか、どこかでこの子が落ちていたのを見かけませんでしたか？
中にはくだらないかもしれないけど、大切な写真が残っているんです。
お願いだから、見かけたら交番に届けてはいただけないでしょうか‥‥。
