花を運ぶ妹

花を運ぶ妹

花を運ぶ妹

あらすじを要約すれば、インドネシアのバリ島を舞台に、妹[カヲル]が兄[哲郎]を救う話。……ですが、このテーマが兄と妹それぞれの章で成り立っていくからおもしろい。全く違うことを語り合っている兄と妹の章が、読みすすめるうちにつながってきて、共鳴する。不思議な読後感のある本です。
登場人物たちよりも、物語の舞台となったバリが主人公としか思えないほど、バリ島の風景や温度、湿度、音やにおいすら感じられる文章に圧倒されます。
池澤夏樹の書く女性はあまり好きではありませんが、「花を運ぶ妹」のカヲルは好き。